目次
小規模ビジネスが勝つために必要なフロントエンド商品の考え方
会社を儲かる体質にするためには「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」を意識したビジネスモデルを構築する必要があります。ライフタイムバリューとは「一人の顧客が生涯を通じて企業にもたらすトータルの価値」のことを意味します。
ライフタイムバリューを上げるポイントは、自社の商品やサービスが継続的に顧客に選択され続けることに尽きます。そのための入り口となるのがフロントエンドとなる有料商品です。あえて「有料」と強調したのは、お金を払ってくれてはじめてその人を「顧客」と呼ぶからです。
DRM集客実践会の概念として0円オファーや0円サンプル商品の利用者は見込み客と呼び「顧客」とは呼びません。よって、オファー商品の考え方は重要ではありますが、今号のテーマから反れてしまいますので割愛させていただきます。 |
フロントエンド商品の価格戦略とは?
ダイレクトマーケティングにはフロントエンド商品、バックエンド商品という概念があります。ざっくりというなら、フロントエンド商品では「使ってみてよかった~」という「体験」を売り、バックエンド商品は「さらによくなりたい」という「価値」を提供し続けるという考え方です。
その上で大切なことがあります。かなり重要なことなのでメモしてくださいね。
それは
「フロントエンド商品を業界で最安値にすること」
です。
これをやると同業他社には絶対に負けません。ビジネスのスタートアップ期は特に業界最安値を意識する必要があります。洋食屋さんに例えるなら、めちゃくちゃ美味しいのにワンコインで食べられるオムライスを準備するというイメージですね。
ある洋食屋の500円オムライスが本当に美味しかったら、他の商品もそのうち売れることは想像できると思います。オムライスがこれだけ美味しいのなら、ハンバーグも美味しいだろうという具合に。
ちなみに「安心と安全」をウリにしている辰巳オリジナルブランドの「ならのお米」はおかげさまで買い手が飽和している状況です。このような場合はわざわざ最安値にする必要はありません。当たり前ですね。
余談ですが、奈良のお米はスーパーの価格と比べると割高の商品となります。しかし、減農薬栽培のお米というカテゴリーでは「業界最安値」で販売しています。 |
継続して奈良のお米をご利用してくださっている常連さまにはこの先も余程のことがない限り価格は据え置きです。しかし、一般販売では高く販売することはあり得ます。この段階まで到達して初めて「値上げ」が可能となるのです。
つまり、飽和状態を生み出すことによってはじめてライフタイムバリューを上げていく施策に入れるということです。
ところがネットからの集客がうまくいっていなかったり、お店が閑古鳥が鳴いている状況では話は別です。フロントエンド商品は必ず「業界最安値」で勝負するべきです。
では、閑古鳥が鳴いている状況でフロントエンド商品の価格が高い場合はどうしたらいいのか。
答えは、今のフロントエンド商品・サービスに付加価値を付けてバックエンド商品に移行することです。その上で、新たに体験版の安いフロントエンド商品を開発します。その方がこれからの販売が楽になるはずです。
※もちろん、フロントエンド商品をそのままにして0円オファー商品をつくることも有効です。
ダン・S・ケネディの価格戦略でボロ儲けしたあるマーケターの話
億万長者マーケターを多数輩出しているダン・S・ケネディさんの弟子の言葉で有名な言葉があります。誰だったか忘れましたが、その方は年商数十億円の企業を「0」の状態からいくつも立ち上げたダイレクトマーケターです。
そんな彼ですが、ある音声テープの中でこんなことを言っていました。
「私はフロントエンド商品を業界の最安値で提供したビジネスはどれも大成功した。しかし、そうじゃない(業界最安値ではない)価格で提供したビジネスは一つ足りとも成功していない」
と。これはダン・S・ケネディの教えでもあります。
いかがですか?というわけで、ダン・S・ケネディのいうことを素直に実行した方がいいと思いませんか?おそらく年収1億円ダイレクトマーケターの平秀信先生も同じ考えでしょう。エルハウスさんの商品は安いですからね。
松下幸之助の水道哲学、ソフトバンクのインフラ、トヨタのカローラ、日産のマーチ、100円プレミアムコーヒー・・・
どれをとっても最初のうちは業界最安値を競い、その後、業界を席巻しています。大手の戦略と小さな会社の戦略の違いこそあれ、フロントエンド商品に関しては同様の成果が期待できるのです。最近では大手でさえ地域戦略に力を入れているので尚更です。
フロントエンド商品は業界最安値にする必要があるということをおわかりいただけましたでしょうか。
普通に考えたら分かる話です。あなたがモノを購入する時の心理状況を思い出してください。同じような商品の場合は一番安いところで試そうとするのではないでしょうか?なぜなら初めての体験では一円たりとも損をしたくないからです。
もちろん「オレは一番いいものを最初から選ぶ」という方もいるでしょう。でも、それは庶民感覚からは離れているか、その分野においてすでに精通しているかのどちらかです。
フロントエンド商品ではとにかく体験を売れ
とはいえ、ただ安ければいい訳ではありません。フロントエンドの商品力は同業他社と同じか、それ以上に優れている必要があります。「商品力+付加価値」でそこはクリアーしてください。
なぜならフロントエンド商品の目的は「体験を売る」訳ですからね。「素晴らしい体験」をしてもらい、記憶に残してもらう必要があります。できれば認識を変えてしまうくらいのインパクトが欲しいところです。
たとえば、私の会社が運営しているサービスにスターBOOKsという出張買取サービスがあります。買取サービスという手前、フロントエンドとなる「初」の取引きは業界査定よりも高く買い取ってあげなくてはなりません。なぜなら
「素晴らしい体験をした」
という後味を残さないと、次の取引きに結びつかなくなるからです。お客さまの立場に立って考えればわかることです。「損して得取れ」とはこのことですね。おかげさまでスターBOOKsの出張買取サービスは年間を通じてリピートしてくださっています。
あなたのビジネスにおけるワンコインで食べられる「洋食屋のオムライス」はなんですか?なければバックエンド商品に関連したフロントエンド商品を開発しましょう。
今号の学びをあなたのビジネスに活かしていただければ幸いです。
*コンテンツの中では、知的刺激の材料として活用いただくために、あえて誤解を招くような過激な表現をしている場合もございます。「これは違うんじゃないか?」と疑問に思うところから、ご自身の発想・気づきを深めるきっかけにしていただければ幸いです。
集客がうまくいっていない場合、まず最初にやらなければならないのがビジネスモデルの見直しです。その中でもフロントエンド商品の見直しと改善は不可欠ですね。
では、続きをどうぞ!